血しぶきを噴出しながらスマイル

「血しぶきを噴出しながらスマイル」

店の人は、Sさんを見てもごくごく普通にしていたので、すっかり馴染みになっているのだなあ、と思っていた。もし私が店主なら、いくら馴染みになってもこんな有名人を目の前にしたら、何度でもソワソワドキドキしてしまうだろうなあ、と思っていた。 それから店を出て、また二人で歩き出した。

Sさんのお嬢さんは、今年から高校生になるそうで、この町と似たような雰囲気の町にある高校に通うので安心している。というようなことを言った。 たしかにこの町は、のんびりしていて穏かでとってもよい感じだものね、と遠くに見える武家屋敷のようなお屋敷の屋根瓦を眺めながらうなずいていた。 途中、歌手のJオングさんとすれちがった。夢の中のJオングさんは、とても背が高く、非常にスリムだった。ポニーテールでTシャツにジーンズ姿だった。 なんだかテレビで見ているのと全然イメージが違ったので驚いていた。 それから作家のM春樹さんともすれ違った。 Mさんは、昔どこかの雑誌で見たことのある写真通りの人だったのですぐにわかった。 Mさんの洋服は穴だらけで、そこから数秒おきにシュワーっと噴水のような血しぶきを噴き出させながら、笑顔で歩いていらした。 大丈夫なのだろうか? と心配になったけど、本人いたって元気そうだったので問題ないのだろう。そういう仕掛けのある珍しい洋服なのかもしれないし。などと自分を納得させていた。

続く

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